正統派の法廷ドラマで、かなり私の好みでした。
個人的には非常におすすめなドラマですが、さらりとしているから好みは分かれるのかも?
後半ネタバレあり。ご注意ください。
作品情報
原題:에스콰이어: 변호사를 꿈꾸는 변호사들
邦題:エスクワイア: 弁護士を夢見る弁護士たち
放送年:2025年8月2日~9月7日(JTBC)
話数:全12話
キャスト:イ・ジヌク、チョン・チェヨン、イ・ハクジュ、チョン・ヘビン
あらすじ
正義感に燃える若き新米弁護士が一流法律事務所に入所。
引用:Netflix
妥協を許さない冷徹な上司のもと、複雑な法曹界でさまざまな経験を積んでいく
キャスト
※青字は役者名
ユン・ソクフン(イ・ジヌク) カン・ヒョミン(チョン・チェヨン) イ・ジヌ(イ・ハクジュ) 出典:エスクワイア JTBC ホ・ミンジョン(チョン・ヘビン)
感想
静かに話題となっていたドラマ『エスクワイア』。
もともと、2017年の『魔女の法廷』をきっかけに法廷ドラマが好きだったので、興味がありました。
最近まで見ていた『悪魔判事』も一応、法廷ドラマだったし…。
何より、イ・ジヌクが出演してるなんて、見ないわけがない。
結論、面白かった!
個人的には非常におすすめなドラマですが、さらりとしているので、好みは分かれるのかもしれませんね。
このドラマの魅力はたくさんちりばめられていて、挙げだしたらキリがないですが…特にここと思う面白かった点を挙げてみます。
①ストレスなく見られて、どんどんと引き込まれる
基本的には一話完結型なので、物語は軽快に展開されていきます。
韓国ドラマ特有の、陰湿に繰り返される嫌がらせ、複雑な人間関係、裏切り、権力闘争…というのが、比較的ありませんでした。
そういうのが韓国ドラマの醍醐味なんでしょうが、視聴者としては見進めるのにものすごく負荷がかかるので、私としては、離脱しやすさと表裏一体だと思っています。
『エスクワイア』は、全体的にさらりとすっきりした演出で、くどくなく、上品な雰囲気でした。
嫌味な人、悪事を働く人は登場しましたが、主人公の周辺の人間関係は基本的に良好で、みんな賢く善良なので、変に苛立ちを覚えることがありません。
それが、心理的負荷を減らし、迷うことなく見進められる要因だったと思っています。
②ドタバタしない、主人公の優秀さと涼やかな雰囲気
主人公カン・ヒョミンの、淡々と涼やかな雰囲気が好きでした。
第一話目では、電車で読書に熱中したがために就職面接に遅刻したし、身なりが整っていなかった姿から、お転婆で騒がしい子なのか?!(韓国ドラマあるある~😂)と思いきや、基本的には冷静で、感情を大爆発させることもなく、といっても必要なことは丁寧に話す誠実さに好感が持てました。
主人公が騒がしくない。でも、言うべき時にはきちんと言える!ストレスない。
カン・ヒョミンは新人とは思えない優秀さでしたが、(もともと優秀さが目に留まっていたからこそ、就職面接に遅刻してもなんとか拾われたし)新人ならではの力量不足を限りなく埋めることで、物語の核心に触れる時間を長くすることに繋がっていたと思います。
新人成長物語として捉えると、カン・ヒョミンの優秀さが現実離れしているように感じられてしまいます。
しかし、この物語は一貫して「愛」を主題としています。そしてそれが見応えがあるので、ぐんぐんと引き込まれていきました。
③愛を巡る訴訟案件をメインとしたドラマ
カン・ヒョミンの優秀さが際立ちますが、他同期3人から妬み嫉みを買うこともなく、衝突することもなく、なんならカン・ヒョミンの裁判を傍聴席で見守ってくれて、困ったときには手伝ってくれる良好な関係性が築かれていました。一体いつの間に…?
チェ・ホヨンに関しては、貧しい家庭で双子の妹を面倒見ながら弁護士として奮闘している様が描かれていましたが、他の同期の詳しいことは描かれず。
また、その他の同期との絡みもそこまで深く登場することはありませんでした。
左:チェ・ホヨン役(イ・ジュヨン) 出典:エスクワイア JTBC 新人弁護士4人
同期との関係が構築されていく過程は見たかったと思う一方で、全12話ゆえに、主題から逸れる部分は削ぎ落したのだと思っています。
同期との関係、絆、成長も描いていたら、24話は必要となるだろうなと。
繰り返しとなりますが、このドラマはあくまで、愛を主軸とした訴訟案件を巡る物語であって、新人弁護士の成長物語ではないんだろうと思いました。
また、他同期3人を、カン・ヒョミンの優秀さを際立たせるために比較して能力を下げることもしていませんでしたし、個人的には好印象でした。
ちなみに、JTBCのホームページに、このようなドラマ紹介文がありました。
体に傷があると病院に行くが心に傷が出たら?
出典:エスクワイア JTBC
人々は傷が極に達すれば「訴訟」を考える。
極限に至った状況で最後の手段として法が自分の幸せを、
そして幸せな権利を守ってくれると期待するのだ。
エスクワイアはまさにその瞬間に立った人々、最も極端な心の傷を負って
「訴訟」という名の治癒を選択した彼らの話だ。
そして彼らを代理する弁護士たちもやはり、他人の傷を覗き込み、結局自分の中の古い傷と向き合うことになる。
このようにこのドラマは、法廷という舞台で繰り広げられる熾烈な弁論とともに、
少しずつ癒され、成長していく人々の旅路を辿っていく。
特に、 このドラマの中の訴訟はほとんど愛に関する話だ。
恋人同士の愛、夫婦同士の愛、親と子の愛、ペットへの愛情、他人への憐憫まで、
様々な形の愛が葛藤の末に法廷に立つ。
このような訴訟を引き受けて解決していきながら、ドラマの中の私たちの熱血弁護士たちは法廷で愛を悩んで学び、
また、各自の現実から愛を芽生え、そのように成長して変化していく。
エスクワイアは愛という最も人間的な感情を、
法廷という最も非人間的な空間の上に載せて解体して再組み立てる。
その旅程で法が感情と衝突するときどんな姿になるのか、
また、時にはその感情をどのように包み込むことができるかを探索する。
これを通じて’愛’とは何か視聴者と共に深く悩んでみようとする。
ドラマのタイトルが、「弁護士を夢見る弁護士たち」とあるので、もちろんカン・ヒョミンが新人弁護士として成長する、という視点から描かれている部分もあるけれど。
カン・ヒョミンに限らず、各弁護士が訴訟案件を通じて改めて考えさせられ、内省している、と同時に、私たちも考えさせられる。そんなドラマでした。
そのため、弁護士事務所内の営業担当と実務担当の分断、派閥闘争、不正などの問題を絡めつつも、くどくなく、大半はカン・ヒョミンが担当する訴訟案件にまつわる場面で占められていました。
④正統派の法廷ドラマ
様々な形の愛から生じる訴訟案件が丁寧に描かれていて、各弁護士がそれと誠実に向き合う姿は、このドラマにおける一貫した誠実さを感じました。
まさに、正統派の法廷ドラマ。
カン・ヒョミンの家族や友人との関係、ハン・ソンチャンとの恋愛の行方、ユン・ソクフンの元妻との関係、イ弁護士とホ弁護士の関係…
各弁護士の家庭事情や背景にも触れられたことで、訴訟案件とは別の角度からも愛のあり方を考えさせられました。
例えば第12話の訴訟では、とある夫婦が婚前に結んだ契約について、議論をもたらしました。
その夫婦は、愛を前提とした結婚は、いずれ心情に変化があると婚姻関係が揺らぐ可能性があるため、婚姻関係継続を第一優先するべく愛情を排除させる婚前契約を結んでいました。
つまり、愛があっての結果の結婚ではなく、結婚という契約関係が先に来ています。
一方で、カン・ヒョミンの先輩であるイ弁護士は、愛があるからこそ、見える形としてホ弁護士と結婚したい、と考えてプロポーズに至ります。
それらについて、一方を否定して他方を肯定しているわけでもなく、法律としての限界を示しながらも、考え方としてはそれぞれのあり様を認めています。
そして、弁護士は「依頼人の利益」のための仕事であるため、時には勝訴がゴールではない。
理想、正義、愛、結婚などをテーマに問いが投げかけられ、答えのない多くの提示がありました。
一筋縄ではいかないけれど、そのどれもに真正面から誠実に向き合い続けた彼らの姿に、見習うべきところがあったと思います。
⑤カン・ヒョミンとユン・ソクフンの関係
カン・ヒョミンからユン・ソクフンに対して、憧れの上司としてのまなざしを超えた、慕情に近しい雰囲気が終始漂っていたので、どうかそこは恋愛関係にならないでくれとハラハラしていました。
だって、ここまで正統派法廷ドラマをやってくれたのに、その二人で恋愛が始まったら拍子抜けしてしまう。
そのため、温かい雰囲気のまま、含みを持たせつつも恋愛関係に至る決定的なシーンはないまま最終話を終えてくれて、安堵しました…。
ただ、二人が単純な上司部下の割り切った関係でない、心ある親密な関係となったことによって、ユン・ソクフンのパーソナルな部分として、元妻との出来事や結婚観に触れることができたと思うので、そういった効果はあったのではないかと感じます。
⑥イ弁護士とホ弁護士の恋愛
まさか、ここで恋愛が始まるなんて全く想像していなかった。
第1話目でイ弁護士が新人4人にホ弁護士を紹介した時は、目の敵にしているような素振りに少し見えていたから、え?!そんなに親しい仲だったの?!むしろ、敵意ではなくて、好意があるの?!とびっくり。
イ弁護士の積極さと一途な姿が素敵~!
カッコいい先輩、ホ弁護士を慕う人懐っこい後輩を見事に演じていて、本当にかっこよかったです。
私はこの二人のロマンスが好きだった。
どうやら、イ・ジヌ弁護士役のイ・ハクジュはスレギ役が多いようで、他のドラマを観るのが怖い。
出典:エスクワイア JTBC
あっという間の12話で、面白かったです!!
お仕事ドラマとして、おすすめです。
OST
上品な雰囲気にマッチする楽曲らです。
・Quiet – KIMMUSEUM
・Lean into me – d.ear
・나도 너만큼만(Same as you) – hiko
・Home – Pagaehun(박태훈)
・Gloomy-Go-Round – Sam Ock(샘 옥)







