韓国映画『ラブストーリー(클래식)』感想|母娘二世代の恋が時を超えて交わる、美しすぎる王道純愛傑作

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クァク・ジェヨン監督、ソン・イェジン主演の韓国映画『ラブストーリー』。
母と娘、過去と現在、二つの恋が静かに重なっていく王道の恋愛物語でした。

ネタバレあり。ご注意ください。

目次

作品情報

原題:클래식(クラシック)

邦題:ラブストーリー

公開日:(韓国)2003年1月30日  (日本)2004年1月24日

監督:クァク・ジェヨン

キャスト:ソン・イェジン、チョ・スンウ、チョ・インソン

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感想

『猟奇的な彼女』の監督が描く、正統派ラブストーリー

本作は、『猟奇的な彼女』の監督として知られるクァク・ジェヨンによる2003年公開(韓国)の映画。

主演のソン・イェジンは、本作で百想芸術大賞・映画部門女性新人演技賞、大鐘賞新人女優賞を受賞したそう。

ソン・イェジンがまだ21歳とかの頃。

オープニングはパッヘルベルのカノン。まさしくクラシック。

ものすごく横道な、古典的なストーリー仕立てで安心感があったから、原題が『クラシック』というのはよくわかる。オープニング曲からしてそうだし。

母と娘、過去と現在、二世代にわたる恋物語という内容を考えれば、邦題が『ラブストーリー』とされた理由も理解はできるものの、どうしてこの邦題としたのだろうか。

そして、とにかく、旧来の韓国作品にありがちだった、運命、許嫁、初恋、が見事に盛り込まれている。
2026年の今、この映画を見ると、なんだか懐かしさも覚える。

過去と現在を行ったり来たり ソン・イェジンの一人二役

物語は、大学生のジヘ(演:ソン・イェジン)が、母ジュヒ(演:ソン・イェジン)の初恋を記した日記や手紙を見つけるところから始まる。

そこから母の過去の恋が回想として描かれ、再び現在へと戻り、今度はジヘ自身の大学での恋模様が描かれていく。

ソン・イェジンが母娘一人二役を演じながら、過去と現代を行き来する構成。

どこで二つの物語が交差するのか、ジヘの父親は誰なのかと、自然に先の展開を待ちわびてしまう。

違和感として撒かれる伏線

あらすじに触れるときりがないため省略するけれど、とにかくこの二つの平行した恋物語にの共通したものが時折視聴者には知らされ、美しく展開する話の端々に少々の引っ掛かりがある。

それが、早く先を知りたい、見たい、と駆られる種として蒔かれていた。

過去編では、ジュヒはテスという許嫁がいながら、ジュナと互いに想い合っている。

しかし、テスからジュヒへの手紙を、ジュナが代筆するという皮肉な状況が生まれる。

現在編では、スギョンが想いを寄せるサンミン先輩へのメールを、ジヘが代筆する。(代筆しがち~~)

ジヘもサンミン先輩に好意はあるけれど、友人スギョンの手前、何も行動に移せない。

やがてスギョンとサンミンは恋人になるが、視聴者だけには、サンミン先輩が本当はジヘに好意を寄せていることが知らされる。

そんな状況から始まり、まず、あれ?となったのが、過去編でジュヒへ送られた手紙と、現在編でサンミン先輩がジヘに書いた手紙の内容が同じであったこと。

ジヘが一瞬「あれ?」とした表情を浮かべるもののの、ここでは大きく協調はされずさらっと流された。この小さな違和感が心に引っかかる。

さらに、テスが前髪をふっと吹き上げる仕草を、ジヘも同じようにする場面。
ジヘの父親はジュナであってほしいと願っていながらも、ここで「あれ?まさか?」という疑念が芽生えた。
なんだかんだ、ジュナと結ばれるんじゃないかと思っていたのに、違うの?!とざわつく。

ジュヒとジュナが初めてデートした時に、ジュヒからジュナにお礼として渡されたネックレス。これがまた重要な品として物語を進める――。

後半、心を締め付けるジュナの選択

物語後半、最も胸が苦しくなるのは、ベトナム戦争から帰還したジュナとジュヒの再会シーン。

ジュナが、「なぜ結婚しなかったの? 僕はもう結婚したのに」と問うと、ジュヒは明らかにショックを受けた表情となるが、「聞いたわ」と咄嗟に取り繕う。

この瞬間、二人は結ばれなかったのだと痛感させられる。悲しい…結ばれてほしかった。

さらに、ジュナが戦争で盲目になっていたことが判明する。

ジュヒがかつて渡したネックレスを取りに戻ったことで爆発に巻き込まれ、失明してしまったのだった。

あのネックレスを手に、「これを返したくて命を懸けて守ったんだ」とジュヒへ返すが、「これはジュナのものよ」とジュナの首につけてあげるジュヒ。

ジュナは、このネックレスがあったから頑張れたし、だけれどこのネックレスのために失明してしまった。
あまりにも残酷で、胸が苦しい場面だった。

盲目となり、ジュヒを見つめることができないジュナ。
それでも相変わらず綺麗だよと微笑んでいたし、ジュヒの涙をぬぐう。

拭うその手でしか、ジュヒを感じ取ることができないなんて――。

嘘の裏にあった、最後まで貫かれた愛

後に明かされるのは、ジュナは再会時点では実はまだ結婚していなかったという事実である。

ジュヒがテスと結婚するのを見届けてから、自身も別の人生を選び、結婚し、息子をもうけたのだった。

あの嘘は、ジュヒのためであり、テスのためであり、周囲すべてを守るための選択だった。

親が決めた許嫁という時代背景、テスが一度身を引いた際に親との板挟みで自殺を図った過去。

皆のために、断腸の思いだったと思う。

それでも、ジュナは最後までジュヒを想い、ジュヒのために嘘をついていたんだ。

幸せを願って、嘘をついて別れを告げたあの瞬間、胸が張り裂ける思いだっただろう。

時を超えて交わる二つの恋

やがて現在に戻り、紆余曲折を経てジヘとサンミン先輩は結ばれる。
二人が歩くのは、かつてジュヒとジュナが初めてデートした川のほとり。

ジヘが母の恋物語を語り終えたとき、サンミン先輩はなぜか嗚咽している。
彼女の母親の初恋の話に、なぜそこまで泣く?と疑問に思ったのもつかの間、
サンミン先輩が首に下げていたネックレスを取り出す。

それは、あの、ジュヒがジュナに渡したネックレスだった。

つまり、サンミン先輩はジュナの息子。
時を超えて、二人の恋は次の世代で結ばれた瞬間であった。

ホタルを捕まえるラストシーンは、ジヘとサンミン先輩、ジュヒとジュナ――
過去と現在が重なり合う、あまりにも美しい画で締めくくられた。

胸にずんと重い感情が残り、しばらく余韻に浸ってしまっている…。
美しい話の運びで、最後はまさかのどんでん返し。

この平行した話がまさか現在で交わるとは思わず、意外な結末だった。

ある意味、旧来の韓国ドラマの王道展開だったかもしれないけれど、きれいな映画だったと思う。

OST

・너에게 난, 나에게 넌(あなたにとって私は、僕にとって君は ー 歌手:자전거 탄 풍경

ドラマ「賢い医師生活」で聴いたことがある!とピンときました。
もとはこの映画の曲だったんだなぁ。とても良い曲で、この美しい話にそっと寄り添ってくれた。

映画OST↓

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ライブ↓

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賢い医師生活』バージョン↓

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・사랑하면 할수록(愛すれば愛するほど) ー 歌手:한성민

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